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東京物語

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物語

1953年の夏、尾道に暮らす周吉とその妻のとみが東京に旅行に出掛ける。東京に暮らす子供たちの家を久方振りに訪ねるのだ。しかし、長男の幸一も長女の志げも毎日仕事が忙しくて両親をかまってやれない。寂しい思いをする二人を慰めてくれたのが戦死した次男の妻の紀子だった。紀子はわざわざ仕事を休んで二人を東京名所の観光に連れて行く。 両親の世話に困った幸一と志げは、二人を熱海の旅館に宿泊させる。しかし、その旅館は安価な若者向きの旅館で、二人は騒々しさになかなか眠れない。翌日、熱海から早々に帰って来た二人に対し、志げはいい顔をしない。居づらくなった二人は志げの家を後にする。周吉は在京の旧友と久方振りに再会し酒を酌み交わし、とみは紀子の家に泊まる。ここでとみは、戦死した夫を忘れて再婚するように紀子に強く勧めるのだった。周吉は旧友に本音をぶちまけるほど泥酔する。深夜、泥酔状態のところをお巡りさんに保護されて、志げの家に帰ってきてしまう。そこで志げ夫婦の顰蹙を買う。 二人は、子供たちからはあまり温かく接してもらえなかったが、それでも満足した表情を見せて尾道へ帰った。ところが、両親が帰郷して数日もしないうちに、とみが危篤状態であるとの電報が子供たちの元に届いた。子供たちが尾道の実家に到着した翌日の未明にとみは死去した。幸一と志げは悲しみつつも、間もなくさばさばした乾いた表情を見せる。 とみの葬儀が終わった後、志げは京子にとみの形見の品をよこすよう催促する。そして志げは、とみよりも周吉が先に死ぬのが望ましかったと主張し、幸一もそれに同調する。紀子以外の子供たちは、葬儀が終わるとそそくさと帰って行った。京子は憤慨するが、紀子は歳を取れば誰でも自分の生活が一番大切になるものだといって義兄姉をかばい、若い京子を静かに諭すのだった。 紀子が東京に帰る前に、周吉は上京した際の紀子の優しさに感謝を表す。そして紀子に再婚を勧める。ここで紀子は初めて自分の苦悩を吐露する。独身を通す自分の将来の不安がぬぐえないことを打ち明けた。涙を流す孤独な紀子に、周吉は妻の形見の時計を与えた。愛する者を失った喪失感を共鳴できる存在は、紀子以外にいなかった。